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Japanische Klassiker mit Furigana

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それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

そこでまた新しい煙草に火をつけて、

「――だから、僕アこんどの小説でもだね……」

と、ちらりと机の上の原稿用紙を見た。

「それでも私は行く」

と、題がつけてあった。

「――土足のまま部屋の中へはいって行ってやろうと思ってるんだ、いや、土足のままなんておこがましいが、まア、たとえばだよ、下足番が履物を……と言うと、冗談言うない、僕アはじめからはだしだよって返事するような小説にしたいよ。太陽先生ども、さぞかしガヤガヤと非難することだろうッて。ざまアみやがれ。非難しながら、こっそり読んでるような小説を書くよ。僕の友人が太陽奥さんというマンガを描いているが、僕の女房はつまり太陽奥さんなんだ。僕は夜光虫先生だ。合わないよ。え、へ、へ、……」

小田はペシャリと額をたたいて、例の軽佻浮薄なる笑いを笑うと、

「――ところで、昨日のつづきをきこうじゃないか」

「つづき……?」

「小郷の家へ行ったろう……? それからだ……」

十

小田は、こんどの「それでも私は行く」という新聞小説で、本当にあったことを、そのまま、ルポルタージュ式に、出来るだけ小田自身の想像を加えずに書き、場所も人物も実在のまま使うという奇妙な計画を樹てていた。