Japanische Klassiker mit Furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme
知れん」
と、同情したので、折角のたのみをむげにも断り切れず、昨日の夕方、小郷の家へ行ってからの行動を、小田に語った。
――入浴していると、いきなり宮子がはいって来たこと。
――浴室を飛び出して、応接間へ戻って来ると、弓子が婦人記者と称して来ていたこと。
――弓子に置手紙して、小郷家を飛び出したこと。
――そして、小郷と鈴子と君勇をめぐるいきさつ。「罪と罰」をめぐる感想。
――今日の正午、べにやへ弓子に会いに来ると、宮子に会い、共にちぎり家へ来て、小田に会うたこと。
「なるほど、じゃ、僕は案外一役買っているわけだね」
そう言って、小田はふと考えこんでいたが、やがて、起ち上ると、
「君、散歩しないか。京都で一番いい散歩道を教えてやろう」
「どこですか」
「高台寺だ」
そして、上衣を着ようとして、小田は、
「――あれあれ。財布がねえぞ」
と、頓狂な声をあげた。
「着物の袂にはいってませんか」
「なるほど、昨日は着物だったね」
小田は袂の中を探していたが、ない。
「落したのかな」
「掏られたんじゃないですか」
十一
「まさか。掏られるような、そんな間抜けじゃないよ。落したんだよ」