Japanische Klassiker mit Furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme
「まさか命を賭けるなんて言葉は、戦争中の標語みたいじゃないか。もっとも、命を賭けた恋って言葉もあるがね」
「早く言って下さいよ」
鶴雄はひどく乗気だった。
「よし」
と、小田はうなずくと、にやりと笑って、
「――僕は鈴子を身受けして、君にあげよう。君、鈴子に惚れているんだろう」
鶴雄はぱっと赧くなって、
「へえ、そんな金があるんですか」
と、わざと、とぼけてみせた。
「近いうちに旧作の印税がはいることになっている。金なんか持ってたって、落すだけだ」
「あくまで、落したと決めてるんですね」
と、鶴雄は笑った。
「で、君は何を賭ける……?」
「僕は、そうですね……」
と、鶴雄は考えて、
「――僕は何もないから、このサイコロを賭けましょう」
「サイコロ……?」
と、小田は軽蔑したように言ったが、急に、ああそうかと判って、
「――なるほど、そのサイコロは命のつぎに大事な奴らしいね。よし、それで行こう」
小田は痩せた身体に似合わぬ、でかい声を出した。
「しかし、落したのと、掏られたのと、いつどうして判るんです」
「ふーむ。それが問題だ」
その時、女中がはいって来た。
「御面会どす」
「誰だ」