Japanische Klassiker mit Furigana
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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme
空がくるくるくるっと白く揺らぎ、草がバラッと一度に雫を払いました。
(間違って原を向う側へ下りれば、もうおらは死ぬばかりだ。)と達二は、半分思う様に半分つぶやくようにしました。それから叫びました。
「兄※、兄※、居るが。兄※。」
また明るくなりました。草がみな一斉に悦びの息をします。
「伊佐戸の町の、電気工夫の童ぁ、山男に手足ぃ縛らえてたふうだ。」といつか誰かの話した語が、はっきり耳に聞えて来ます。
そして、黒い路が、俄に消えてしまいました。あたりがほんのしばらくしいんとなりました。それから非常に強い風が吹いて来ました。
空が旗のようにぱたぱた光って翻えり、火花がパチパチパチッと燃えました。
達二はいつか、草に倒れていました。
そんなことはみんなぼんやりしたもやの中の出来事のようでした。牛が逃げたなんて、やはり夢だかなんだかわかりませんでした。風だって一体吹いていたのでしょうか。
達二はみんなと一緒に、たそがれの県道を歩いていたのです。
橙色の月が、来た方の山からしずかに登りました。伊佐戸の町で燃す火が、赤くゆらいでいます。
「さあ、みんな支度はいいが。