Japanische Klassiker mit Furigana
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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme
二
ました。
「わあい、慶助、木ペン返せじゃ。」キッコは叫びました。「知らなぃじゃ、うなの机さ投げてたじゃ。」慶助は云いました。キッコはかがんで机のまわりをさがしましたがありませんでした。そのうちに先生が入って来ました。
「三郎、この時間うな木ペン使ってがら、おれさ貸せな。」キッコがとなりの三郎に云いました。
「うん、」三郎が机の蓋をあけて本や練習帖を出しながら上のそらで答えました。
二
課業がすんでキッコがうちへ帰るときは雨はすっかり晴れていました。
あちこちの木がみなきれいに光り山は群青でまぶしい泣き笑いのように見えたのでした。けれどもキッコは大へんに心もちがふさいでいました。慶助はあんまりいばっているしひどい。それに鉛筆も授業がすんでからいくらさがしてももう見えなかったのです。どの机の足もとにもあのみじかい鼠いろのゴムのついた鉛筆はころがっていませんでした。新学期からずうっと使っていた鉛筆です。おじいさんと一緒に町へ行って習字手本や読方の本と一緒に買って来た鉛筆でした。いくらみじかくなったってまだまだ使えたのです。使えないからってそれでも面白いいい鉛筆なのです。