Japanische Klassiker mit Furigana
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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme
三 午后零時五十分
器械はやっぱり凍ったはたけや牧草地の雪をふるわせてまわっています。
脱穀小屋の庇の下に、貯蔵庫から玉蜀黍のそりを牽いて来た二疋の馬が、首を垂れてだまって立って居ました。
赤シャツの農夫は馬に近よって頸を平手で叩こうとしました。
その時、向うの農夫室のうしろの雪の高みの上に立てられた高い柱の上の小さな鐘が、前后にゆれ出し音はカランカランカランカランとうつくしく雪を渡って来ました。今までじっと立っていた馬は、この時一緒に頸をあげ、いかにもきれいに歩調を踏んで、厩の方へ歩き出し、空のそりはひとりでに馬について雪を滑って行きました。赤シャツの農夫はすこしわらってそれを見送っていましたが、ふと思い出したように右手をあげて自分の腕時計を見ました。そして不思議そうに、
「今度は合っているな。」とつぶやきました。
三 午后零時五十分
午の食事が済んでから、みんなは農夫室の火を囲んでしばらくやすんでいました。炭火はチラチラ青い焔を出し、窓ガラスからはうるんだ白い雲が、額もかっと痛いようなまっ青なそらをあてなく流れていくのが見えました。
「お前、郷里はどこだ。」農夫長は石炭凾にこしかけて両手を火にあぶりながら今朝来た赤シャツにたずねました。