Japanische Klassiker mit Furigana
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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme
四
赤シャツの農夫はきまり悪そうに、急いで戸をあけて脱穀小屋の方へ行きました。あとではまだみんなの気のよさそうな笑い声にまじって、
「あいつは仲々気取ってるな。」
「時計ばかり苦にしてるよ。」というような声が聞えました。
四
日暮れからすっかり雪になりました。
外ではちらちらちらちら雪が降っています。
農夫室には電燈が明るく点き、火はまっ赤に熾りました。
赤シャツの農夫は炉のそばの土間に燕麦の稈を一束敷いて、その上に足を投げ出して座り、小さな手帳に何か書き込んでいました。
みんなは本部へ行ったり、停車場まで酒を呑みに行ったりして、室にはただ四人だけでした。(一月十日、玉蜀黍脱穀)と赤シャツは手帳に書きました。
「今夜積るぞ。」
「一尺は積るな。」
「帝釈の湯で、熊また捕れたってな。」
「そうか。今年は二疋目だな。」
その時です。あの蒼白い美しい柱時計がガンガンガンガン六時を打ちました。
藁の上の若い農夫はぎょっとしました。そして急いで自分の腕時計を調べて、それからまるで食い込むように向うの怪しい時計を見つめました。腕時計も六時、柱時計の音も六時なのにその針は五時四十五分です。