Japanische Klassiker mit Furigana
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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme
そのたびにキッコの8の字は変な洋傘の柄のように変ったりしました。それでもやっぱりキッコはにかにか笑って書いていました。
「キッコ、汝の木ペン見せろ。」にわかに巡査の慶助が来てキッコの鉛筆をとってしまいました。「見なくてもい、よごせ。」キッコは立ちあがりましたけれども慶助はせいの高いやつでそれに牛若丸のようにうしろの机の上にはねあがってしまいましたからキッコは手がとどきませんでした。「ほ、この木ペン、この木ペン。」慶助はいかにもおかしそうに顔をまっかにして笑って自分の眼の前でうごかしていました。「よごせ慶助わあい。」キッコは一生けん命のびあがって慶助の手をおろそうとしましたが慶助はそれをはなして一つうしろの机ににげてしまいました。そして「いがキッコこの木ペン耳さ入るじゃぃ。」と云いながらほんとうにキッコの鉛筆を耳に入れてしまったようでした。キッコは泣いて追いかけましたけれども慶助はもうひらっと廊下へ出てそれからどこかへかくれてしまいました。キッコはすっかり気持をわるくしてだまって窓へ行って顔を出して雨だれを見ていました。そのうち授業のかねがなって慶助は教室に帰って来遠くからキッコをちらっとみましたが、またどこかであばれて来たとみえて鉛筆のことなどは忘れてしまったという風に顔をまっかにしてふうふう息をついてい