Japanische Klassiker mit Furigana
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いーはとーぼのうがっこうのはる
イーハトーボ農学校の春
Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme
今度はおくれたのです。さっき仕事を終って帰ったときは十分進んでいました。さあ、今だ。赤シャツの農夫はだまって針をにらみつけました。二人の炉ばたの百姓たちは、それを見てまた面白そうに笑ったのです。
さあ、その時です。いままで五時五十分を指していた長い針が俄かに電のように飛んで、一ぺんに六時十五分の所まで来てぴたっととまりました。
「何だ、この時計、針のねじが緩んでるんだ。」
赤シャツの農夫は大声で叫んで立ちあがりました。みんなもも一度わらいました。
赤シャツの農夫は、窓ぶちにのぼって、時計の蓋をひらき、針をがたがた動かしてみてから、盤に書いてある小さな字を読みました。
「この時計、上等だな。巴里製だ。針がゆるんだんだ。」
農夫は針の上のねじをまわしました。
「修繕したのか。汝、時計屋に居たな。」炉のそばの年老った農夫が云いました。若い農夫は、も一度自分の腕時計に柱時計の針を合せて、安心したように蓋をしめ、ぴょんと土間にはね降りました。
外では雪がこんこんこんこん降り、酒を呑みに出掛けた人たちも、停車場まで行くのはやめたろうと思われたのです。