Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いーはとーぼのうがっこうのはる

イーハトーボ農学校の春

宮沢 賢治

Lesen Sie イーハトーボ農学校の春 (いーはとーぼのうがっこうのはる) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.726 Zeichen · 120 Bildschirme

Aozora Bunko

そうです。丁度一学期の試験が済んでその採点も終りあとは三十一日に成績を発表して通信簿を渡すだけ、私のほうから云えばまあそうです、農場の仕事だってその日の午前で麦の運搬も終り、まあ一段落というそのひるすぎでした。私たちは今年三度目、イギリス海岸へ行きました。瀬川の鉄橋を渡り牛蒡や甘藍が青白い葉の裏をひるがえす畑の間の細い道を通りました。

みちにはすずめのかたびらが穂を出していっぱいにかぶさっていました。私たちはそこから製板所の構内に入りました。製板所の構内だということはもくもくした新らしい鋸屑が敷かれ、鋸の音が気まぐれにそこを飛んでいたのでわかりました。鋸屑には日が照って恰度砂のようでした。砂の向うの、青い水と救助区域の赤い旗と、向うのブリキ色の雲とを見たとき、いきなり私どもはスウェーデンの峡湾にでも来たような気がしてどきっとしました。たしかにみんなそう云う気もちらしかったのです。製板の小屋の中は藍いろの影になり、白く光る円鋸が四、五梃壁にならべられ、その一梃は軸にとりつけられて幽霊のようにまわっていました。

私たちはその横を通って川の岸まで行ったのです。