Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
電車だとばかり思ったら、これがルイノへ行くんだそうだ。
御客は私を入れて七人きり、さっきの電車は、二、三等にしきられていたが、今度は、一、二等と記されている。が、どうせ二つにわけるなら、いっそ七、八等とでもしたらよかろうと思われるくらいで、きたなさに於ては、足尾の鉱山鉄道だってこれ程じゃあない。
そのうち、ぷーっと変てこな笛を合図に、汽車がのそのそ動きはじめる。トレーザの川を流れにそうて、雑木林の谷の間を縫ってゆくと、沿線には、どう云う気か知らないが、兵隊さんがうろうろしていた、枯木の丘が少し開くと、遠くスウィス境の雪の山が見えて、やがて間もなく、車はルイノの町に入る。ここはラゴ・マジョーレの東岸にあって、夕日にむかう向う岸は、もうそろそろ霞だって、カンネロの浮城が夢のように淡い。
私ははじめ、ルイノに一泊のつもりでいたが、日はまだあるし、ここは見たままの船つきだから、すぐ前に横づけになった汽船に乗って、ラゴ・マジョーレの水に浮かんだ。北は、遥る遥ると見渡される水の果は、ロカルノ Locarno の丘をこえて、スウィスの雪が望まれる、湖の半面は山の影になって、もううしろになった常緑樹のルイノの町に、サン・ピエートロの高塔が、入り日を浴びて美しい。