Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

森の梢もいちじるしく緑が萌えて、なおアルブラの深い狭谷に沿うて下るほど、雪は淡く草は濃く、雲の往き来も静かになって、刻々に春の近づくのが意識される。

トゥーシス Thusis は、ヒンテル・ライン Hinter Rhein の川岸にある小さな町で、南に流れをさかのぼれば、シュプリューゲンから北イタリヤへぬけられる。汽車は川に沿うて、やや開いた谷の底を、両側にはたえず雪の山脈を仰いで、北にむかうと草原にはキンバイやタンポポが一面に咲いて、百姓家のあいだあいだには、林檎、すももなどの花盛りである、やがて西から流れるライン河の本流に合した。水はさすがになめらかで、川幅はまだそれほど広くはないが、水にはいかにも底力が籠もっている、その河ぎしには、果ものの花が仄白く咲いて、国の春に見るような、派手な色がないだけに、落ちついた、重みのある、一と口に云えば、いかにもライン河らしい、春の感じを与えている。谷は徒らに深くはない、しかし春の花の梢には、やはりちらちら雪の山岳がたえず望まれる。

ラインに沿うて、フール Chur の町に着いたのが昼頃で、此間に懲りて、食堂のないこの汽車で弁当を食べさせられるのがいやだから、一時二十分の次の汽車に乗りかえるまで、ゆっくりと停車場のビュフューで昼食を食べた。