Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
眼がさめると二時少し過ぎ、窓に小雨は淡くかすんで、十五分目の時の鐘だろう、どこかの会堂の鐘の音も、京の寝ざめを思い起してなつかしい。
ベルンで第一に行くべき場所は、クライネ・シャンツェ Kleine Schanze とアルピネス・ムゼウム、キルヘンフェルトの橋のたもとは、今日は山が見えないから、明日のこととして、レインコートに身をかためると、霧雨の中を、気持ちよくぬれながら、また大通りにやって来る。街に出て最初に眼につくのは、大路の四つ角に建てられた、いろいろな形の噴水である。オーベルラントはすでに高原で、ベルンは街を貫ぬくアーレの急流を、絶壁の底に瞰下ろした、丘の上に築かれてあるが、水が十二分に街に行きわたっておるのは、スウィスの都の特徴であろう。噴水の多くは十六世紀の建造と云うが、一つ一つおもむきの異った、古びたのが、どれを見ても由緒ありげに思われる。山岳会の陳列場は、ワイセンハウスプラッツから、右に曲ったツォイクハウス・ガッセで、建てものはミュンヘンみたいに立派ではないが、千八百七十四年に、万国聯合郵便大会が初めて開催されたと云う、曰くつきの家だから、門口にカントンの紋章をうって、表からのぞき込んだばかりでも何となく黴くさい。