Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

ウンテルゼーエンの村路を左に曲って、くだものの木の茂った、牧場の柵に沿うて湖水に出る。雨足は、次第にしげくなって、水みちの白く乱れた湖には、水鳥が群れて遠浅にシルフの茂るあたりから、墨絵のように霞んでいる。ニーセンは無論見えない。岩の石の上に腰を下ろすと、雨にぬれた外套が冷や冷やして薄ら寒い、山入り前だし、風邪でもひくと大変だから、先きに別れて宿に帰ると、近藤君から電報が届いていた、倫敦からかけたんで、明日の昼に着くとしてある。

午後は雨もひどくなったし、室にばっかり閉じ籠って、頭が少し重くなる。山に這入れば髪も刈れず、幸い、時間つぶしに筋向いの理髪所に行く。おや職人が変ったな、と思いながら鏡に向って、刈りながら新聞を読んでると、親方が出て来て、鏡の中をのぞき込んで、やまた入らっしゃいましたねってんで、まだ顔を覚えている。職人と入れ更って刈り初めたが、話はやっぱりルーゲンパルクの野天芝居で、役者はどこのもんで、衣裳がすばらしいなんて、髪結床らしい対話がはじまる。

頭はせいせいしたが、天気は相変らず煮えきらない。大通りをぶらついて、カフェー・オーベルラントでコンツェルトを聞きながら、暇をつぶして大通りをぶらぶら帰りかけると、ニクレス老人に呼びとめられた、また這入り込んで話しこむ、御蔭で時間もたって、宿に