Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
我慢に我慢していた空は、もうこらえ切れなくなって、ぽつりぽつり、硝子窓に打っつけた雨脚は次第に繁くなって、十時十五分に、グリンデルワルトに着くと、傘なしでは、少しこたえるくらいな降りになって来た。取り敢えず、停車場の待ち合いにかけ込んで、考え込んだが、室に這入ると、急に大降りになったように、屋根を洗う雨の音が骨身にこたえる。
私達は無論出かけるつもりだが、今日のうちに着く筈のシュトラールエックの小屋までは、ウンテル・グリンデルワルトの氷河をさかのぼって、六時間はたっぷりかかる、が、ここで泊るのも業腹なり、さればと云って相手が天気では、喧嘩にもならず、煙草ばかりふかして、窓に近い氷河の裾をにらめていると、外で立ち話しをしていた二人がやって来た、出かけるのかと思って身仕度に及ぶと、荷物が重いから、トレーガーを今日一日だけ雇ってくれと云う掛け合いだ、荷物は重いには相違ないが、決して背負えない位ではない、素人の私達のリュックサックだって、彼等に対してそう軽いとは思われぬ、私は着がえのシャツ、厚手、薄手を取りまぜて四枚、白のスウェターにスウェターコート、履きかえの靴下が二足、地図二部、登山案内二冊、絵はがき形の写真機にフィルムが十六本、帽子や雪除眼鏡、石鹸、歯磨なんて雑物は数えないでも、大形のリュックサックは一