Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

新しい雪は、昼過ぎの日に泡のように水づいて、いくら杖を突っ張っても、柄は手ごたえもなく、そのままずぶずぶはいってしまうし、靴は海綿を踏むようで、足がかりは悪いし、一同、途方にくれた気味で立ち止まってしまった。

と云って、じっとして居れば、一寸、二寸とひとりでに足が沈んでゆくから、ぼんやりしておるわけにもゆかない、先登のヘッスラーは、もう眼が据って、物を云っても返事もしない。

近藤君は、さっきからしきりに、頭痛がするって弱りこんでる。

「おい、御山に酔ったね、しっかりしないか、見っともないぜ」

「笑談じゃない、そうじゃない雪焼けだよ、どうも頭痛がして、それに顔が火のようにほてってたまらないんだ、君は何ともないのかい」

「ははあ雪焼けですか、上品な皮膚だから、そう云やあ真紅だぜ、それで這いずるんだから、先ず蟹さね、それにしちゃ余り足が長いが」

などと、こうしたなかでも、相互に口だけは、人並みにきけたんだが、ヘッスラーの奴は、苦い顔をして欝ぎ込んでる。

アヴァランシュ

二言、三言、早や口にフォイツと話しあっていたが、そんな中にも元気よく、さあ出かけようぜってんで、たった、一足踏みだした刹那である……