Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
私には二人ついてリュックサックと写真機も背負ってくれたし、誰のだかアルペンシュトックも借りて来たが、こうやって見ると無疵な人間は幸福だ、只さえ歩きにくい岩路を下りるのに、片手はまるで感覚がないのに、上からギリギリ繃帯されてるから、胸が圧されて息苦しくてたまらない、この辺に倉庫でもあるんなら、肩の付け根からもぎ取って、癒るまで一寸預かってもらい度いような気がした。
ネイルドブーツで、ゴトリ、ゴツリ、歩くよりも落ちる方が適当な形容詞なんだから、シュワルツエックに来るまでに、もう冷汗びっしょりで、小屋の入口に腰を下ろすと、眼が眩んで、一寸の間は口もきけないくらいになった、ガイドの持って来たウィスキーに咽喉を湿して、汗をふきながら一服喫う。昨夜出っかした女のことを聞いて見たが、別に登って来た様子もなし、第一、女ばかりでいたなんて、どうも変だ、ここかシュトラールエックより外に、泊りどこは無いんだからなどと、話していた。然し不思議だ、確かに動いていたが、今だに私には、時々幻のように眼に映つる。
クレヴァースの遠くには、蟻のように一群の人影が点ぜられた、それは担架に附きそった連中である。