Japanische Klassiker mit Furigana
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まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
Lesen Sie 万葉秀歌 (まんようしゅうか) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.820 Zeichen · 427 Bildschirme
この楝の花は、太宰府の家にある楝であろう。そして、作者の憶良も太宰府にいて、旅人の心になって詠んだからこういう表現となるのである。この歌は、意味もとおり言葉も素直に運ばれて、調べも感動相応の重みを持っているが、飛鳥・藤原あたりの歌調に比して、切実の響を伝え得ないのはなぜであるか。恐らく憶良は伝統的な日本語の響に真に合体し得なかったのではあるまいか。後に発達した第三句切が既にここに実行せられているのを見ても分かるし、「朝日照る佐太の岡辺に群れゐつつ吾が哭く涙止む時もなし」(巻二・一七七)、「御立せし島を見るとき行潦ながるる涙止めぞかねつる」(巻二・一七八)ぐらいに行くのが寧ろ歌調としての本格であるのに、此歌は其処までも行っていない。この歌は、従来万葉集中の秀歌として評価せられたが、それは、分かり易い、無理のない、感情の自然を保つ、挽歌らしいというような点があるためで、実は此歌よりも優れた挽歌が幾つも前行しているのである。
天平十一年夏六月、大伴家持は亡妾を悲しんで、「妹が見し屋前に花咲き時は経ぬわが泣く涙いまだ干なくに」(巻三・四六九)という歌を作っている。