Japanische Klassiker mit Furigana
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まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
Lesen Sie 万葉秀歌 (まんようしゅうか) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.820 Zeichen · 427 Bildschirme
「久木」は即ち歴木、楸樹で赤目柏である。夏、黄緑の花が咲く。一首の意は、夜が更けわたると楸樹の立ちしげっている、景色よい芳野川の川原に、千鳥が頻りに鳴いて居る、というのである。
この歌は夜景で、千鳥の鳴声がその中心をなしているが、今度の行幸に際して見聞した、芳野のいろいろの事が念中にあるので、それが一首の要素にもなって居る。「久木生ふる清き河原」の句も、現にその光景を見ているのでなくともよく、写象として浮んだものであろう。或は月明の川原とも解し得る、それは「清き」の字で補充したのであるが、月の事がなければやはりこの「清き」は川原一帯の佳景という意味にとる方がいいようである。併しこの歌は、そういう詮議を必要としない程統一せられていて、読者は左程解釈上思い悩むことが無くて済んでいるのは、視覚も聴覚も融合した、一つの感じで無理なく綜合せられて居るからである。或は、この歌は、深夜の千鳥の声だけでは物足りないのかも知れない。「久木生ふる清き河原」という、視覚上の要素が却って必要なのかも知れない。その辺の解明が能く私に出来ないけれども、全体として、感銘の新鮮な歌で、供奉歌人の歌として、人麿の、「見れど飽かぬ吉野の河の常滑の絶ゆることなくまたかへり見む」