Japanische Klassiker mit Furigana
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まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
Lesen Sie 万葉秀歌 (まんようしゅうか) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.820 Zeichen · 427 Bildschirme
即ち極く広義の恋愛情調であるから、説く人によっては、恋人のことを歌ったのではないかと詮議するのであるが、其処まで云わぬ方が却っていい。また略解は「菫つむは衣摺む料なるべし」とあるが、これも主要な目的ではないであろう。本来菫を摘むというのは、可憐な花を愛するためでなく、その他の若草と共に食用として摘んだものである。和名鈔の菫菜で、爾雅に、※食レ之滑也。疏可レ食之菜也とあるによって知ることが出来る。併し此処は、「春日野に煙立つ見ゆ※嬬らし春野の菟芽子採みて煮らしも」(巻十・一八七九)という歌のように直ぐ食用にして居る野菜として菫を聯想せずに、第一には可憐な菫の花の咲きつづく野を聯想すべきであり、また其処に恋人などの関係があるにしても、それは奥に潜める方が鑑賞の常道のようである。
この歌で、「吾ぞ」と強めて云っていても、赤人の歌だから余り目立たず、「野をなつかしみ」といっても、余り強く響かず、従って感情を強いられるような点も少いのだが、そのうちには少し甘くて物足りぬということが含まっているのである。赤人の歌には、「潟をなみ」、「野をなつかしみ」というような一種の手法傾向があるが、それが清潔な声調で綜合せられている点は、人の許す万葉第一流歌人の一人ということになるのであろうか。