Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme

Aozora Bunko

多くの部屋のなかには、一つぐらい、彼女に親しい品物があって、それがそのうち彼女の眼に留まれば、生国身許などが判明する一条の手懸りになるかも知れない。この夫人の思いつきは、全然無効果ではなかった。食堂には漆塗りの戸棚が飾ってある。それに支那の男女の風俗が模様風の絵になっているのだが、それを見つけると、女は一時に顔を輝かして活きいきと手真似をし出した。自分の故国では、みんなこういう服装をしているというらしいのである。それから、バナナを配らった菓物籠の静物画の前で、嬉しそうな表情をして、じぶんの生れた国々は、このバナナが沢山成っているという意味を示した。

夜になって寝台へ案内しようとすると、懸命に首を振って拒んで、ホルトンの家でしたと同じように、着のみ着のままで床にごろ寝し出した。いくら習慣が違うといっても、これはあんまりだとウオロウル夫人は驚き呆れて、きっと寝台を何かひどく恐しいものと考えているに相違ないから、それには、完全に無害であることを実験によって示すに限る。そこで、ウオロウル家の娘が、寝台に上って眠る真似をして見せる。この通り決して怖いものではないからと安心させようとしたが、何うしても尻込みして寝台へ近づこうとしない。