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Japanische Klassiker mit Furigana

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme

Aozora Bunko

ハロルド・ロスリッジは、眠ろうとする努力に疲れ切って、打たれたように寝台に円くなって鼾の音を聞かせはじめた。と彼は、急に大きな叫び声を上げた。それは、まるで七、八つの女の児のような、甲高い、恐怖に満ちた声だった。同時に、弾かれたようにベッドに起き上って、夢中で、痙攣的に顫える手で額部に滴る冷たい汗を拭っている。

傍らに寝ていた妻がびっくり眼を覚まして、白く変っている良人の顔を覗き込んだ。

「あら、何うなすって?」

「夢を見たんだ」ロスリッジは呼吸を整えながら、「恐しい夢だった。夢――というより、まるでサイレント映画の一節だった。背景の細かいところまで、現実のようにはっきりしていた。小さな女の子が殺される夢なんだ――」

細君は、莫迦ばかしいといったように、枕の上から苦笑した。

「嫌だわ、あんまり熱心にあのドロシイ殺しの新聞記事を読むからよ」

「そうじゃないんだ。いや、そうかも知れないが、おれは、殺すところを見たんだよ。その殺したやつの顔がまだありありと眼に残っている」

「じゃ、誰が殺したの?」

「それわね」ロスリッジは暫らく逡巡った後、「おれもお前もよく識っている人なんだ――併し、言えない。