Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
浮浪人などを相手にしている斯ういう下層の店では、こんなことは珍らしくないので、ウオルドマンは早速承知して客の選択に任せた。客は店にある品物の中から、茶がかった外套一枚、洋服上下、靴一足、肌着、ワイシャツ、革帯、ネクタイと、これだけ選んで、直ぐに別室で着更えを済ました。脱いで残して行った衣類雑品との代価の開きは、三枚の十弗紙幣で支払っている。
ここで「彼」は、大きな錯誤をした。その、着換えをした部屋に、聖書、万年筆、加奈陀太平洋鉄道会社の書類等を入れた黄色の紙箱を忘れて行ったことだ。これらは、ウオルドマンが交換に受取った上着と一緒に、すべて暫時前にパタスン方から盗んで来たもので、その箱は、七枚の十弗札が這入ってスウツケイスの中にあったものだ。
男は、髯だらけの青年だった。出がけに、鳥渡立ち停まって、頬を撫でながらウオルドマンに訊いた。
「何処かここらに床屋はないでしょうか」
「床屋ですか。床屋なら直ぐ其処にあります」
ウオルドマンは、自ら進んで、メイン街六一二の中央理髪店へ、一しょに歩いて行って案内してやった。床屋では、主人のニック・テイバアがその男を受持った。