Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Lesen Sie 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.694 Zeichen · 32 Bildschirme
病気といえばいつもよく看護してもらったからというばかりではなく偶然の事情から充分に姉を信頼することができたからである。お互はもとより私たち皆にとってまことに仕合せなことである。
断片。母の力ないとぎれとぎれのひと言ひと言を私は金言のようにききのがさない、若い母親がはじめての子供にするように。それは生への進軍の最初の雄たけびなるがゆえに、これは死への退却の最後のかたみなるがゆえに貴い。
断片。私はちょいちょい病室の様子を見にいって換気のためすかしてあるガラス障子の間からのぞく。眠っていればそうっと帰ってくるし、醒めていればはいって暫く顔を眺めたり、枕もとに坐ったり、短い言葉をかけたりする。朝はいちばん母の気分がいいので私は大抵起きぬけに寝巻のなりいって おはよう をいう。母もゆっくり微に おはよう という、はなれたところから反響してくるように間をおいて。はじめのうちの衰えながらも晴れやかな おはよう が日がたつにつれて張りのないうす暗いものになってきた。
母を見舞う私は看護婦さんのいないときには――後ではいてもやるようになったが――二、三度しずかにその頬をなでる。