Japanische Klassiker mit Furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
おかねはくなっと躯を捻った、「ねえ、酒屋のほうが溜っていてうるさく催促をするの、済みませんけれど三両だけ都合をつけて下さいな」
得石はじっと女の顔をみつめた、「――私は帳合をして金を受取りに来たんだ、十一日の勘定にも三両二分残しておいたのに、三両貸せとはどういうわけだ」
「いま云ったじゃないの、酒屋がうるさく催促するからって」
「それはいつの勘定だ」
「先々月からのよ」
得石は咳をし、指の背で口髭を撫でた、「酔っぱらって頭がどうかしたな、酒屋というのは播磨屋だろう、勘定は毎月きちんと払って、受取がちゃんと取ってあるじゃないか」
「あら嘘よ、そのこと話したでしょ」
「そのこととはなんだ」
「播磨屋の番頭が悪いことをしていて、金を持って逃げたのよ」とおかねは云った、「半年もまえからで、うちで払った勘定も先々月から店へは入れてないんですって、あたし話さなかったかしら」
「聞くのはいま初めてだ、しかしそれならこっちの知ったことじゃあない、こっちは払うものを払ってちゃんと受取を」
おかねが手を振って遮った、「その受取がだめなの、播磨屋の受取とは紙も違うし印判も違うのよ」