Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は得意そうに笑って、注がれた酒を飲んだ、「ふだんどんなにとりすましている女でも、寝物語となるとあけすけになるものです、男のこっちが恥ずかしくなるくらい、思いきってあけすけになるものですよ」

「そうして、その、お婿さんのことを、二人で笑っていたのね」

「笑われるより笑えというでしょう」

「ではその二人が亡くなったから、いまは先生お一人で笑う番ね」

「それは済んだことさ」

「あたし先生の笑うのが見たいわ」

「済んだことだと云ってるでしょう」彼の持っている盃から酒がこぼれた、「いまはおみのさんという、可愛い人がいる、昔のことはみんなくそくらえだ」

「はい、お酌、――召し上れ」

「もういい、もうよしにします」

「あら、いくじのないこと」

「ひと休みだ」彼は横になりながら、すばやくおみのの手を掴んだ、「おみのさん、ひと休みしてから飲み直すことにしよう」

「放して、乱暴なことは嫌いよ」

「じゃあ隣りへいきますか」

おみのは顔をそむけながら「ええ」と頷いた。

「今夜こそ、じらしっこなしですよ」

「放して」とおみのは囁いた、「あたし先にいってますから」

十一

おみのは立って、隣りの四帖半へはいり、襖を閉めながら、嬌かしく囁いた。