Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

兼業の油屋の品が置いてあったものか、建物の中は油が火を引いたもようで、柱まできれいに焼け落ち、三人の死躰も殆んど男女の区別がつかなかった。――寮にはおまさという中年の下女と、五助という下男がいた。五助はかよいで、夕方には自宅へ帰るが、おまさはもちろん住込みであった。しかしおまさも、その日は本所業平にある弟の家へ帰ってい、明くる朝、寮へ戻って来て初めて、その出来事を知った。

町方の訊問に対して、おまさは次のように答えた。

「この寮にはいつもおかみさんがいました、それが十二月の二十九日に、ええ、仏庵さんの亡くなったのが二日ですから、日に間違いはありません」とおまさは云った、「二十九日の朝おでかけになって、あとずっと留守番をしていました、すると六日の午すぎに、日本橋のお店から旦那を戸板にのせて、おしのさんがいらしったんです、ええ、おしのさんはむさし屋の一人娘で、年はたしか明けて十八だったでしょう、おきれいで静かで、おっとりしたいい方でした」

主人の喜兵衛は養子だった。年は四十五歳、三年まえに癆で倒れたが、家付きの妻おそのは病気に感染するのを怖れて、看病は娘のおしのに任せ、自分は寮のほうへ移った。