Japanische Klassiker mit Furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
およねはあまえるように肩を揺った、「それはあたしが云うまで訊かないでって、もうなんどもお願いしたでしょ、あたしだってあなたのこと、なにも訊かないじゃないの、――あたしはあなたが好き、逢ってお顔が見たいから逢う、それでいいじゃありませんか」
「およねさんはそれでいいかもしれないが、私のほうはそれじゃあ済まないよ」
「あらいやだ、初めからその約束だったじゃあありませんか」およねは上半身をまっすぐにした、「それがそんなに御不満なら、これ限りおめにかからないことにしますわ」
「もう私に飽きたというわけか」
「いじ悪なことを仰しゃるからよ」とおよねは沈んだ声で云った、「あたしあなたのおかみさんにしてくれと云いもしないし、こうやって逢うにしても、いちどだって御迷惑をかけたことはないでしょ、あたしのうちがたとえどんな金持にしても、娘の身でこんなことをするにはずいぶん苦労しなければならない、それでもあなたに逢うためならと思って、口では云えないような辛いおもいを」
「わかったわかった、勘弁しておくれ」源次郎はうろたえたように遮った、「年がいもないことを云って私が悪かった、悪いところはあやまるが、しかしおまえにそんな苦労させることは、私だって男だから辛いし、私にできることならなんでもするからって、これまで幾たびも云っているじゃないか