Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

はいって来た佐吉は怯えていた。少なくともおしのには、彼が怯えていて、それをけんめいに隠そうとしているのが感じられた。

「聞かれると困るんだが」と佐吉は坐るとすぐに云った、「おまさちゃんを使いにでもやってもらえませんか」

「あの子は大丈夫よ、わかってるじゃないの」とおしのは答えた、「それにあの子は立ち聞きなんかしやあしないわ」

「じゃあ云っちまいましょう」佐吉はもう一と膝前へ出て声をひそめた、「八丁堀の青木という与力を知ってますか」

おしのは頷いた。

「あの男が勘づいたようですぜ」

「勘づいたって、なにを」

「墓を掘り返して骨をしらべたそうです」

「なんのことよ、それ」

おまさが茶と菓子を持って来、そのまま去った。佐吉は茶を啜ったが慌てているために舌をやいて、顔をしかめた。

「正月の火事に疑いを持ったらしい」佐吉は唇を舐めて云った、「旦那は死にかかってる病人だし、おかみさんが潰れるほど酔っていたことは、寮のおまさという女中が知っていた、けれどもおまえさんはそうじゃあなかった、おかみさんの相手をしたにしても、火事になって動けないほど酔っている筈はない、ことによるとおまえさんは殺されたうえ、火をつけて焼かれたんじゃあねえか、――こう考えたそうです」