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Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

その茶屋はまだ建ててからまがないらしく、二階造りの大きな建物だし、広い中庭には池があり、石や植込みの配置なども凝ったものであった。――女中に案内されたのは、二階の廊下をずっといって、右へ曲った座敷で、そこだけ離れのようになっていた。その八帖にはもう膳が出てい、火のよく熾った火鉢には燗鍋が湯気を立てていたし、派手な色の座蒲団が二枚出してあった。

「あちらはいまお化粧を直していらっしゃいますから」と女中が云った、「どうぞ先にめしあがっていて下さいと仰しゃってました」

そして膳の脇から燗徳利を取って、燗鍋の中へ入れた。見ると、そこには盆にのせて、燗徳利が七本並んでいた。

――水いらずという趣向か。

ここで燗をつけて、二人っきりで飲もうというのであろう。若いにしてはできすぎた膳立てだ。こいつは手ごわいかもしれないぞ、と蝶太夫は思った。燗は自分でするから、と云って女中を去らせ、座蒲団を火鉢の側へ移して坐った。――彼が徳利を出して、盃に二つ飲むとおりうが来た。襖の外で声をかけたので、女中かと思ったが、はいって来たのを見るとおりうであった。

湯にはいったのだろうか、洗い髪をさっと束ねて背に垂らし、浴衣に丹前を重ねた上へ、黒衿を掛けた半纒、紫色の地に絞りで大きく紅葉の飛び模様を染めた、――をひっかけ、口紅はつけず、うす