Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
私は寂しかった。自分に何らの価値のないことを朴に裏書きされたような気がして、一層寂しかった。仕方がない、自分は自分で生きるために、初代さんのようにタイピストにでもなって、職業を持とう、とさえ、私は決心した。
と、鄭に伝言を頼んで一ヶ月ぐらいも経ったとき、多分それは三月の五日か六日であった。朴がひょっくり私の店を訪ねて来た。
朴の顔を見ると私の胸はドキドキと躍った。
「おや、とうとう来て下さったのね」と、二組ばかりの酒のみ客を相手にしていた私は、朴を部屋の隅っこの卓子に導きながら小声で言った。
「ちょうど好い。少しゆっくりしていて下さいな、私も出ますから」
こう言って私は、御飯をよそって、煮込み豆腐や大根を持って行って朴に食べさせた。
やがてもう、私の学校へ行く時間である。私は二階に上って仕度をした。朴には少しさきに店を出てもらうことにして……。
いつものように腕に鞄をぶらさげて私は店を出た。朴は路地に立って私を待っていた。それから私達は電車通りまで一緒に出た。
が、電車通りまで出ると、朴はふと立ち佇って言った。
「あなたは神田へ行くんですね。僕は京橋へ用事がありますから、これで失礼します」