Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かわいいやま

可愛い山

石川 欣一

Lesen Sie 可愛い山 (かわいいやま) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.791 Zeichen · 196 Bildschirme

Aozora Bunko

誰か見物人が……恐らく二高の生徒であろう……そっと手をのばして喇叭をやったに違いない。会が済んだら飲んでやろうと、実は心まちに待っていた我々幹事は、大いに憤慨した。飲んだ奴が判っていれば弁償させるなり何なり方法もあるが、それは判らず、第一きたないや、なんて言っていたが、その内に誰がのむともなく飲み始めて、とうとう空にして了ったことがある。

今年(大正十五年)の六月、百瀬慎太郎氏と二人、案内者北沢清志をつれて大町から富山へぬけた時、二人とも至って酒が好きなくせに、およそアルコール分を含んだものとては一滴も持たずに出かけたものである。何故またそんな真似をしたのかというと、すくなくとも私自身は、それまでさんざん酒をのんで、詰らない、下らない日を送っていたのだから、せめて山の中では酒精分は一切口に入れまいと思った。

これは誠にいい決心であったが、さて大沢の小舎に着いて炉で火が燃え、鍋で白い飯がフツフツいい出すと一杯やりたくなる。どこかに残っていやあしないかと、心は同じ両人が薄暗い蝋燭の光をたよりに、鼠の糞や埃で一杯の小舎の内をゴソゴソかき廻して、樽という樽、缶という缶をゆすぶって見たが、コトンともドブンとも音を立てぬ。