Japanische Klassiker mit Furigana
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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
Lesen Sie 名曲決定盤 (めいきょくけっていばん) von 野村 あらえびす (のむらあらえびす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.837 Zeichen · 680 Bildschirme
には東京を訪ねていた。
帝国ホテルの演奏会は、環境や空気のせいで、宗教的な情熱のあるものであった。紅顔の美少年ハイフェッツは、申し分なく好楽家を満足させ、その超人的な技巧は、誰にでも愛される性質のものであった。決して、レコードで想像したような、つめたい素気ないものではなかった。
帝国ホテル五日の演奏会が済んでから、焦土の中に復興の努力を続けている市民のために、ハイフェッツは――一流アーティストにはかつて前例のない野外演奏会を開くことになった。場所は日比谷の新音楽堂(そこでは菊五郎も踊った)、入場料は一円均一であったが、会場は文字通りの満員で、収入の四千何百円かは、直ちに罹災民に寄付された。
それは、薄寒い曇り日であった。夥しい曲目を弾き進むにつれて、美少年ハイフェッツの頬の美しく紅潮したのを私は記憶している。『ツィゴイネルワイゼン』も弾いた、『ロンド・デ・ルタン』も弾いた、『イントロダクションとタランテラ』も弾いた。アンコールを加えて、十三曲までひくと、ハイフェッツは自分からステージに出て来て、第十四曲目を弾いたのを見て、私はハイフェッツのほほえましき迷信を面白がっていたことを記憶している。