Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Lesen Sie 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.198 Zeichen · 171 Bildschirme
七月二十三日
谷村の考えは、なんだか、危っかしい。私は今日、藤子のことを書いたとき、谷村は魂の恋などと妙なことを言っているのだけれど、結局、藤子と、その魂の恋とやらをやり、馬脚を現すのではないか、そういう不安がしつづけている。それだったらずいぶん、なさけないことだ。悲しいことだ。みすぼらしいことだ。私は素子が誰かと恋をして、谷村の変にとりすました気どった悟った一人よがりみたいなものをメチャクチャに破裂させ、逆上混乱させてくれればよいと思うのだが、素子はだんだん恋ができそうもなくなるばかりだ。尤も、素子が恋をして、谷村の足場がくずれて、そんなむつかしい関係をまともに発展させる手腕にめぐまれているかどうか、それが、又、不安なのだ。今から、こんなに苦しくて、この先、どうなるのだろうと、私は私の才能に就て、まったく切ないのだ。
七月二十三日(晴)
猛暑。読書新聞の島瑠璃子氏来訪。荷風の問はず語りの書評。私は書けないから、佐々木基一君をわずらわすよう、すすめる。佐々木君は荷風に就ては私と似たような見解を持っていることを先日の手紙で知ったからだ。
新潟の兄、上京。かすかに、雨あり。