Japanische Klassiker mit Furigana
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だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Lesen Sie 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.198 Zeichen · 171 Bildschirme
七月二十八日
もし恋をするなら、別のも一人の相当ましな人物を登場させたい。その私の感傷が、果して許され、遂げられるであろうか。そういう私の希望のせいか、素子は、やっぱり、恋のために、動きそうもない。仁科を相手にうごきそうもない。そういう私の希望的態度がいけないと思われたので、私は今日中に書き終る充分な時間があったが、中止して、歴史の本を読むことにした。今日もさして暑くない。春陽堂の高木青年来訪、小説ひきうける。
七月二十八日(晴)
ひどく合理的で、始めから、何かハッキリ割当てられた筋書のように首尾一貫したものができた。谷村は仁科によって蛙の正体などというものを発見した。むろん私は蛙の正体が見破られることを予想はしていたが、こんな風に、いやにハッキリと、割り切ったように見破られるとは思わなかったので、私はもっと、すべてを漠然たる不明確な姿で、ぼんやりした姿のまま描いて素知らぬ顔でいたい気持でいたのだ。ボンヤリどころか、いやに明確で、まるで、小説を書きだした時から仁科を予定していたように、いやにハッキリしめくくりがついてしまったのは、どうも変だ。どうも話が巧くできすぎているので、約束が違うという気がする。