Japanische Klassiker mit Furigana
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だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Lesen Sie 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.198 Zeichen · 171 Bildschirme
七月十二日
七月十三日
ウイスキー持参。N君は戦闘機隊員、終戦で満洲から飛行機で逃げてきた由。猛暑たえがたし。畳の上へ、ねむる。
七月十二日(晴)
安田屋のオカミサン母の仏前へ花をもってきてくれる。三時に俄雨があり、いくらか、涼しくなった。
五枚書いて、又、やめる。谷村が、どうも、駄目なのだ。谷村の顔もからだも心も、本当の肉づきというものが足りない。私の頭の中に、まだ、本当に育っていないのだろう。歴史の本読む。道鏡の年表をつくりかけたが、めんどうくさくなって、やめる。
七月十三日(晴)
ようやく筆が滑りだしたが、谷村はハッキリ病弱な男になってしまった。健康な男では、どうしても、だめだ。私は平々凡々たる男の精神の弱さを書きたいのだが、肉体の弱さと結びついてくれないと、表現できない。私の筆力の不足のため。私の観念に血肉の不足があり、健康な谷村に弱い心を宿らせる手腕がないのだろう。私は谷村を病弱にするのが私の手腕の不足のようで、変にこだわっていたのだが、ハッキリ兜をぬいだら、気が楽になったのだ。十三枚書いた。
どうも、これと云って、とりたてて書いておかねばならぬような意図は何もないようだ。