Japanische Klassiker mit Furigana
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だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Lesen Sie 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.198 Zeichen · 171 Bildschirme
この前の戦争で狡い奴らに先を越されて損をしたが、今度はチャンと要領を覚えたから、今度戦争になってみろ、買い溜め、売り惜しみ、闇屋、持ち逃げタダ拾い(戦争中は泥棒なんて言葉はないや。持ち走り、先き拾い。所有権なんて在りゃしねえぞ。それをチャンと心得たんだ)モウケ放題にモウケてやるから覚てやがれ。こういって、坊主も、先生も、女給も、妾も腕を撫しているのである。
百姓とくると、もっと猛烈である。都会の商人も会社員も職工も家をやかれ着のみ着のまま命からがらの戦火に煽られた敗残者であるが、百姓は高見の見物だもの。燈火管制とは何だ? ナニ、飛行機がくる? くるが、どうした。オレの頭の上もいっぺん飛んだが、なんでもねえや。なんでもないに極ってらア。案山子の同族野郎め。
戦争がくると、ふだん威張ってやがる都会の野郎が泣きついてきて、ペコペコ、着物を身ぐるみぬいで、段々ウス汚い女中みたいな女ばかりになりやがって、こッちじゃア自然に着物がふえるんだナ。モーニングまで貯りやがったよ。シルクハットだけ、なかったなア。背広だのネクタイだの腐るほど集りやがるもんで、ワイシャツの着方てえものを覚えなきゃアならねえな。