Japanische Klassiker mit Furigana
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だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Lesen Sie 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.198 Zeichen · 171 Bildschirme
私は私の想念をそのまま文章として表わすことが出来るのである。もとよりそれは完成された文章では有り得ないけれども、その草稿を手掛として、観念を反復推敲することができ、育て、整理することが出来る。即ち、私達は文章を推敲するのではなく、専一に観念を推敲し、育て、整理しているのである。文章の本来は、ここにあるべき筈なのだ。
けれども私達の用いる文字は、想念の走り流れるに比べて、余りにも非速力的なものなのである。第一に筆記の方法が速力に反逆している。即ち右手の運動は左から右へ横に走るのが自然であるのに、私達の原稿は右から左へ書かねばならぬ。且その上に、上から下へ書かねばならぬ。
然し一字ずつの文字から言えば、漢字も仮名も、右手の運動の原則通り、左から右へ横に走っているのである。「私」という漢字は左の禾から右のムを書き、「ワタクシ」も右から左へ走っているのだ。ただ書く方法が速力に反逆している。即ち、私達は各々の文字を左から右へ書くにも拘らず、左へ左へと文字を書き走らせずに、各字毎に再び左へ戻って来て右へ書き、又次の字は左へ戻るという風に凡そ速力や能率の逆のことに専念している。