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Japanische Klassiker mit Furigana

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だらくろん(ぞくだらくろん)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇

坂口 安吾

Lesen Sie 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.198 Zeichen · 171 Bildschirme

Aozora Bunko

なんでもねえや。

自殺なんて、なんだろう。そんなものこそ、理窟も何もいりやしない。風みたいに無意味なものだ。

女のふくらはぎを見て雲の上から落っこったという久米の仙人の墜落ぶりにくらべて、小林の墜落は何という相違だろう。これはただもう物体の落下にすぎん。

小林秀雄という落下する物体は、その孤独という詩魂によって、落下を自殺と見、虚無という詩を歌いだすことができるかも知れぬ。

然しまことの文学というものは久米の仙人の側からでなければ作ることのできないものだ。本当の美、本当に悲壮なる美は、久米の仙人が見たのである。いや、久米の仙人の墜落自体が美というものではないか。

落下する小林は地獄を見たかも知れぬ。然し落下する久米の仙人はただ花を見ただけだ。その花はそのまま地獄の火かも知れぬ。そして小林の見た地獄は紙に書かれた餅のような地獄であった。彼はもう何をしでかすか分らない人間という奴ではなくて教祖なのだから。人間だけが地獄を見る。然し地獄なんか見やしない。花を見るだけだ。