Japanische Klassiker mit Furigana
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だらくろん(ぞくだらくろん)
堕落論・日本文化私観 他二十二篇
Lesen Sie 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 84.198 Zeichen · 171 Bildschirme
私は素子の性格を解剖するところへきた。然し、解剖すべからず、具体的な事実によって、しかもその事実が解説のためのものではなく、事件(事実)の展開自体である形に於てなすべし、という考えになる。素子が岡本にすてられた女を如何に取扱い、何を感じ、何を考えたか、これは重大でありすぎる。私はずいぶん考えた。あれこれと考えた。然し、私が考えているばかりで、素子が感じたり、考えたりしているような気持にならない。私はここのところで、つかえてしまって、今日は一枚半書いただけだ。ここをつきぬけると、ひろびろした海へ出て行かれるような気がするだけで、何も先の目安がない。作品の意図らしい信念とか何かそういう立派らしいものが何もない。涼しくなってくれ。暑い暑い暑い。
この素子に私は、はっきり言ってしまおう、矢田津世子を考えていたのだ。この人と私は、恋いこがれ、愛し合っていたが、とうとう、結婚もせず、肉体の関係もなく、恋いこがれながら、逃げあったり、離れることを急いだり、まあ、いいや。だから、私は矢田津世子の肉体などは知らない。だから、私は、私の知らない矢田津世子を創作しようと考えているのだ。