Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
有るか無きかに、忽ち消え失せるかもしれぬほんの一瞬を止めたのだ。人間のこうした力はどこから出てくるのであろうか。微妙で至難な刹那を、よくぞ菩薩像の口辺に止めたものだ。実に畏ろしい驚嘆すべきことである。
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芸術は常に恐るべき危さに生きるものだ。この恐怖を自覚したとき、芸術の使徒は宗教の使徒ともならざるをえないだろう。思惟像の微笑をみていると、そのことがはっきり感ぜらるる。仏師は実に危いところに生きている。一手のわずかの狂いが、微笑を忽ち醜怪の極へ転落さしてしまうだろう。その一手はいのちがけだ。空前にして絶後なのだ。仏師はおそらく満足というものを知らなかったであろう。一躯の像を刻むことは、一つの悔恨を残すことだったかもしれぬ。多くの古仏の背後には、どれほどの恨みが宿っているか。微笑のために死んだ仏師を私は思わないわけにはゆかない。
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日本人はみな職業によって様々の守護神や守り本尊をもっている。たとえば船乗は船魂神社を祀り、大工左官は聖徳太子を崇め、魚屋は恵比須を、裁縫師は伎芸天を、三味線や琴の師匠は吉祥天を祭ると云ったように、それぞれの職域を神聖なものとして、自分の芸や仕事を磨いてきた。