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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまとこじふうぶつし

大和古寺風物誌

亀井 勝一郎

Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme

Aozora Bunko

微笑は更に内面化し、菩薩の姿態そのものに弥漫して行ったのだと私は思う。白鳳天平の仏像が次第に人体に近づき、柔軟性を帯びてきたのは、ただ彫刻家意識の発達に由るのみではあるまい。微笑を肉体化し、菩薩の口辺のみならず全姿に宿すまでに信仰は消化されたのだとみなすべきではなかろうか。菩薩とは人心の機微のあわいを遊行してゆくもの、云わば微妙さに身を横えているものだ。信仰にとって最重大事は、微妙な心に精通することである。生硬な信仰は無信仰よりも罪悪的だ。人に懺悔を強い、告白を聞いて裁断し、触るべからざる悲しみに触れて、一層人の心を傷つけるような信仰者がある。たとえば中宮寺の庭を泥足で歩むようなものだ。人間の心に粗暴な足跡を印することは最大の罪悪だ。

信仰の敵はいつでも信仰そのものの裡にある。外からの迫害は決して恐るべきものではない。法難とは信仰の拙劣な自己弁解にすぎない。自由とは、何ものをもっても抑圧すべからざるものなるがゆえに、自由なのではなかろうか。いかなる圧制の下にも自由はある。あたかも恋愛と同じように。いかなる権力も恋愛を奪うことは出来ない。そして自由とは本質的に孤独なものだ。