Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
青年不比等と妻賀茂姫とのあいだに生誕された宮子は、やがて文武天皇に入内し、聖武天皇を生みまいらせた。即ち帝にとって不比等は最も親しい外戚にあたる。のみならず後に聖武天皇の皇后となられた光明子も、晩年近き不比等と橘三千代とのあいたに生誕された方であって、聖武天皇とは同じ御年配であった。不比等の妻は他に娼子娘や五百重娘がいるから、その兄弟姉妹子孫の繁栄は驚くべきであり、末になるにつれて同族間の争いもまた多かった。かかる一族がそれぞれ高位にのぼり政治の各分野に参与したのであるから、この間に処せられた聖武天皇の御心労は甚しかったであろう。藤氏専横のあいだに在って、帝の御生涯は必ずしも安穏ではなかったようである。かかる危機感が、信仰の根底に、少くともその大きな要因としてひそんでいたと思われる。
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他方、当時の思想状態もまた混乱を極めていた。異国との交通が頻繁になるにつれて、様々の教義が流入し、国内に様々の説を流布するものが続出するのはいつの世も同じである。国運隆盛は半面に必ずこうした危険を伴わねばならない。奈良朝時代には、仏教のみならず諸々の漢学、法、算、暦、易、陰陽、方術、医学、呪禁等が唐より流入したのであるが、それは屡々神秘不可思議な思想として、乃至は迷信として人心に作用した。