Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
臣をば則ち地とす。天覆ひ地載せて、四時順り行き、万気通ふことを得。地、天を覆はむと欲るときは、則ち壊るることを致さむのみ。是を以て君言ふときは臣承はり、上行ふときは下靡く。故に詔を承はりては必ず慎め、謹まずんば自からに敗れなむ。
この三カ条は、熟読すればするほどその思慮と憂いの深さに驚嘆するのである。第一条の「以和為貴」の一句の背後には、前述のごとく蘇我氏の専横や同族間の絶えざる争いがあり、おそらく太子の切なる祈念であったのであろう。――みな仲よくせよ。人は党派を組み易いもので、ほんとうに達者といえるものは少いのだ。里や隣人と仲たがいせず、上のものが仲よくし、下のものが睦みあって、互に和して事を論ずるなら、一切はおのずから成就するだろう。そうしたならば何事も出来ないことはあるまい。――実に当然の教であるが、かく述べられた太子の心底には、醜怪な政争や人間の無残な慾念が、地獄絵のごとく映じていたのでもあろうか。「以和為貴」の一語にこもる万感の思いを推察しなければならぬ。書紀に接した人はこの言葉が血涙をもってかかれたことを悟るであろう。
さればこそ第二条において信仰の問題を示されたのである。