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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまとこじふうぶつし

大和古寺風物誌

亀井 勝一郎

Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme

Aozora Bunko

右腕の方はゆるやかにまげて、指先は軽く頬にふれている。指の一つ一つが花弁のごとく繊細であるが、手全体はふっくらして豊かな感じにあふれていた。そして頬に浮ぶ微笑は指先がふれた刹那おのずから湧き出たように自然そのものであった。飛鳥時代の生んだ最も美しい思惟の姿といわれる。五尺二寸の像のすべてが比類なき柔かい線で出来あがっているけれど、弱々しいところは微塵もない。指のそりかえった頑丈な足をみると、生存を歓喜しつつ大地をかけ廻った古代の娘を彷彿せしむる。その瞑想と微笑にはいかなる苦衷の痕跡もなかった。

一切の惨苦を征服したのちの永遠の微笑でもあろうか。いま春の光りが燦爛とこの姿を照らして、漆黒の全身がもえあがらんばかりに輝いてみえる。私は飛鳥より大化改新を経て壬申の乱にいたる暗澹たる時代を顧み、その頃の人のひそかな祈念と憧憬をこのみ仏に思わないわけにゆかなかった。この微笑に伏して悔いることなかったものこそ、或る意味で真の勝利者ではなかったろうか。

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中宮寺の如意輪観音は、実は弥勒菩薩であろうという説を読んだことがある。その有力な根拠として、たとえば野中寺の同じ形式の半跏像に「奉弥勒菩薩也」