Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「そんなに貧乏が好きなのかい」
「貧乏が好きというわけじゃないだろうけれど、そこが変人なんだよ。それから、いつでも酔っぱらっている先生だからそのつもりで」
お滝は喋りつづけて、いわゆる道庵先生のところへ与八を出してやったあとで、またそろそろとお松の枕許に寄り、
「お前ほんとに済みませんがね、今月の無尽の掛金に困っているものだから……」
お松の持っていた金は、もうこの気味の悪い伯母に見込まれてしまったのです。
四
どこへ行くのか知らん、机竜之助は七ツさがりの陽を背に浴びて、神田の御成街道を上野の方へと歩いて行きます。小笠原左京太夫の邸の角まで来ると、
「わーっ」
いきなり横合いから飛び出して竜之助の前にガバと倒れたものがあります。竜之助も驚いて見ると、慈姑のような頭をした医者が一人、泥のように酔うて、
「やあ失礼失礼」
起きようとするが腰に力が入らないおかしさ。やっとのことで起きて面を上げると、竜之助も吹き出さずにはおられなかったのは、いい年をしたお医者さんが潮吹の面をかぶって、その突き出した口をヒョイと竜之助の方に向けたからです。
「お起きなさい」