Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「なんだと、道庵先生の野郎」
与八は飛びついて道庵の胸倉を取りますと、
「この馬鹿野郎、わしに喧嘩をしかけるつもりか、喧嘩なら持って来い」
道庵先生も与八の頭へ噛りつきましたが、力ではとうてい与八に勝てっこはありません。
与八は一時の怒りに道庵先生へ武者振りついてみましたけれども、もともと悪気があるのではないですから、持扱い兼ねていると、道庵先生はいい気になって、与八の頭へ噛りついたり引っ掻いたり、ピシャピシャ撲ったりするので、与八は弱りきっているうちに、いいかげん与八の頭をおもちゃにした道庵先生は、そのままそこへ倒れて寝込んでしまいました。
与八はどうも仕方がないから、一両の金を紙に包んで道庵先生の頭のところに置いて、佐久間町の裏長屋へ帰って来ました。
七
与八が佐久間町の裏長屋へ帰って来て見ますと、お滝の家も自分たちのいる方も、どちらも戸が締まっていました。
「お松さん、お松さん」
呼んでみたけれど更に返事がありません。お滝の家の方へ来て、
「伯母さん、伯母さん」
これも中ではことりとも音がしません。
「もう寝てしまったんべえか、伯母さん、伯母さん」