Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「昨晩から、さだめてお喧しゅうござんしたろう」

「何だ」

「まあ、お隣の騒ぎを御存じなされませぬか」

「知らぬ」

給仕に出たのは、丸い顔の気の好さそうな女中。あの騒ぎを、隣室にいて竜之助がほんとに知らないらしいのを不思議がり、

「宵の口に、若い御夫婦づれが、これへおいでになりました」

「それは知っている」

「その御夫婦づれが、心中をなさいました」

「心中を……」

「はい、吾妻川の湖へ出ますところで、二人とも、しっかり抱き合い身を投げたのを、今朝の暗いうちに、倉屋敷の船頭衆が見つけまして大騒ぎになりました」

「うむ――」

「宅の方は、昨晩、三井寺あたりまで参ると申し、五ツ過ぎに、連れ合いしてお出かけになりましたが……それっきり。心配しておりますと、吾妻岸に身投げがあったとの噂で、男衆が駈けつけて見ますれば、案の定、宅のお客様でござりました」

「うむ――」

「お医者様を呼んで、お手当をしていただきましたけれども、すっかり息が絶えておしまいなすったのでございます」

「うむ」

「ともかく、宅でお引取り申すことになり、検死を受けまして、やがてこれへお連れ申すはずでございます」

「不憫なことをしたな」