Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

どうも熱い、酒のせいで頬が熱い」

芹沢は、わざとお松の面に近く酒にほてった頬を突き出して、

「いつ、太夫のひろめをする、その時は一肌ぬいでやるぞ」

「有難うございます、お座敷へ出ませぬと……」

「いや、よろしい」

「いけませぬ、どうぞ、お放し下さい」

「わからぬ奴じゃ、拙者が承知と申すに」

「御冗談をなさいますな」

「冗談ではない」

「お放し下さい」

お松は、もう一生懸命です。力を極めて芹沢を突き飛ばしてみたところで知れたもの、芹沢の腕は、大蛇が兎を締めたようなもの。

「あ、助けて下さい」

お松は絶え入るばかり叫ぶ。芹沢はちょっと手をゆるめ、

「これ騒ぐな、何も怖いことはないではないか。泣くのか。何も泣くことはなかろう、明日の日、太夫の位を張ろうとするほどのお前ではないか」

「芹沢様とやら、お前は、新撰組の隊長でありながら、わたしのような弱いものを苛めてどうなさいます、どうぞお許し下さいませ」

お松は哀れみを訴えて虎口をのがれようと試みる。

「なんの、お前をいじめるものか、贔屓にしようというのじゃ、な、これから新撰組の隊長が、お前の後楯になろうというのではないか」

「芹沢氏、何をしておる」