Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「材木屋のあの藤三郎さんが?」
「そうだよ、お役所へ上げられてお調べの最中だよ」
「それはまあ、どうしたわけで」
「何だかわしもよくは知らねえが、盗賊のかかわり合いだということでがす」
「盗賊のかかり合い?」
七兵衛は思わず小首を傾けながら、
「あの正直な人が盗賊のかかり合いとは、おかしいことですね」
「この間、甲州の上野原のお陣屋へ盗賊が入ったそうで」
「ナニ、上野原のお陣屋へ?」
「そうですよ、お陣屋へ入るとはずいぶん度胸のいい泥棒ですね。ところが泊り合せたお武家に見つけられて、その泥棒が逃げ出したが、その時に泥棒が書付を一本お座敷へ落したそうで、そいつを拾われちまった」
「書付を拾われた?」
七兵衛は思わず自分のふところを撫でてみる。
「それからね、どうしたものやらその書付が藤三郎さんところの材木売渡しの受取証文で、ちゃんと印形まで据わっている」
「それはとんだ災難、私もお見舞に上らなくては済みませんが、昨晩少しばかり怪我をしたものだから、お前さんからよろしく申しておいておくんなさい」
「怪我をなすった?」
「なあに、大したことはありません、山でころんで腰をちっとばかり強く打っただけのことで」